「不安全行動発見トレーニング」は、受講者がマネキンやモックアップを用いて職場に潜む「誤った装着」「危険な姿勢」「作業手順ミス」などを自ら探し出すことで、危険認知力を高める演習手法です。参加型演習で学習効果を最大化し、現場への落とし込みを促します。
危険認知力向上
視覚的に危険を「発見」することで、自らの注意範囲を広げ、未然にリスクを察知する力を養います。
参加意欲喚起
ゲーム性を取り入れた演習により、受講者の主体的学習を促進。
チーム協調の強化
グループワークでの共同発見活動を通じて、コミュニケーションと協力体制を構築。
機材 数量 備考
危険体感マネキン(HBD各種) 3体 例:HBD-0114-70K、HBD-0114-130K、HBD-0118-00
簡易足場モックアップ 2セット 転落、挟み込みシミュレーション用
誤りカード 20枚 誤った装着例・不適切姿勢写真を印刷
ホワイトボード、マーカー 1台 発見結果の共有用
タイマー、ストップウォッチ 1台 制限時間管理
ビデオカメラ※1 1台 発見過程の録画(省略可
イントロダクション(5分)
トレーニングの趣旨説明と注意事項共有。
セットアップ(10分)
講師がマネキン・モックアップを「正しく」および「誤りあり」の2パターンで配置。
誤りパターンは装着ミス、姿勢ミス、手順違反など多様に設定。
発見ラウンド(15分)
受講者はグループに分かれ、制限時間内に誤りを探し、ホワイトボードに記入。
選択式:誤りカードを適切な箇所に貼付しても可。
解説ラウンド(10分)
講師が正解と不正解ポイントを解説し、危険状況と対策を提示。
マネキンの挙動やモックアップ構造を直接示しながら説明。
フィードバック&まとめ(10分)
受講者から気づきや改善策を一人ずつ共有。
講師が総評を行い、日常業務での応用方法を提示。
多様な誤り設定
装着ミス(バックル未ロック、ストラップ緩み)、姿勢ミス(身体の傾き)、動線誤り(安全距離未確保)など、10種以上の誤りパターンを用意。
難易度調整
初級:装着の明らかな誤りを探す
中級:複合的なミス(微妙な角度誤差)
上級:シナリオ全体のリスク要因を抽出
評価指標
正答率、発見スピード、対策提案の質をスコア化し、グループ間で競争要素を導入。
フォローアップ
演習後に簡易アンケートを実施し、気づき度や学習意欲を数値化。次回研修へ活用可能なデータを収集
製造業 J 社:新人研修に組み込み、座学のみの時よりも安全装着ミス発見率が20%向上。
建設業 K 社:定期パトロール前のウォームアップとして実施し、現場ヒヤリハット報告件数が30%増加。
物流業 L 社:多言語参加者向けに絵カードを多用したセットを開発し、言語の壁を越えた共同学習を実現。
学習ポイント
誤り箇所の種類を5つ以上説明できる
グループでの気づき共有手法を理解する
実務での不安全行動観察方法を習得
チェックリスト
誤りパターンが10種以上設定されている
グループワークの進行役が明確に決まっている
フィードバックに具体的対策が含まれている
※1 ビデオカメラ:記録用だが必須ではない。演習後の振り返りに有効。
※2 誤りカード:具体的な不安全行動をイラストや写真で示した補助教材。