「HBD-0117シリーズ」は、挟まれ・轢過・激突といった衝撃的な事故の実態を再現するために設計された、実験用の高耐久人体ダミーです。実際に発生した事故現場をもとに、身体の動きや損傷挙動を物理的に再現することで、事故原因の分析、安全対策の検証、製品設計の見直しといった多目的な活用を可能にします。
このダミーの主要関節はヒトの動作範囲において滑らかに可動します。体格は7~9歳の日本人子どもを想定しています。主な可動部は首、肩、ひじ、手首、腰、股関節、ひざ、足首です。肩、ひじ、手首、股関節、ひざ、足首関節はボルトを締めることにより任意の角度で固定できます。
部位 自由度(軸総数) 主な可動方向
首 3 屈曲/伸展(前後40°相当)、
側屈(左右40°)、回旋(左右60°程度)
肩甲帯 2 挙上/下制(上下20°/10°)、
前突/後退(前20°/後10°)
肩 3×2=6 屈曲/伸展(前160°/後30°)、
外転/内転(外180°/内20°)、回旋(内外各約90°)
肘 1×2=2 屈曲/伸展(0~140°)
前腕回内/回外 1×2=2 回内/回外(0~90°)
手首 2×2=4 屈曲/伸展(各45°)、橈屈/尺屈(各20°)
胸椎(胸部) 1 屈曲/伸展(約30°)
腰椎 3 屈曲/伸展(約40°/10°)、側屈(左右30°)
股関節 3×2=6 屈曲/伸展(前100°/後30°)、
外転/内転(外50°/内40°)、回旋(内外各約30°)
膝 1×2=2 屈曲/伸展(0~120°)
足首 2×2=4 背屈/底屈(各約20°)、内反/外反(各約20°)
つま先 1×2=2 底屈/背屈(約5°/20°)
合計 28 —
内部骨格には、高剛性の金属構造体を採用。大きな衝撃荷重にも耐え、繰り返しの使用でも歪みや変形を最小限に抑えます。
クッション材には、高耐久の発泡ゴム素材を使用し、衝突時のエネルギー吸収性と形状復元力を両立。外装は、防弾チョッキにも使われるバリスティックナイロン。高い耐摩耗性と引き裂き強度を誇り、コンクリート上や屋外での使用でも長期間の耐久性を確保します。
HBD-0117シリーズは、補助具なしで単体自立が可能な数少ないダミーです。これにより、事故発生直前の自然な立ち姿勢での再現が可能になり、事故直前・直後の身体の動きの連続性を妨げることなく検証できます。また、設置や移動の作業負荷が軽減されることも、現場での運用における大きな利点です。
HBD-0117シリーズは、交通事故再現における歩行者の転倒挙動や衝突後の身体の変化を、人体に近い質量・重心・関節可動性をもって忠実に再現できます。自動車やバイク、自転車との速度差による衝突メカニズムの違いを比較実験する際にも有効で、損傷リスクの定量評価や衝撃吸収構造の検証に貢献します。
実証実験による損傷度評価
ドライブレコーダー映像と連携した再現性比較
保険事故調査・警察の事故解析補助資料としても活用実績あり
なぜHBD-0117シリーズが選ばれるのか?
HBD-0117シリーズは、事故発生の瞬間を定量的かつ繰り返し再現できる、高精度かつ高耐久の再現型人体ダミーです。交通・産業・建築・福祉など多分野での事故再現に対応しており、事故解析、安全設計、法医学研究、教育訓練まで、幅広い現場で導入されています。
さらに、警視庁をはじめとする検証機関・研究施設でも実績があり、現場の信頼を獲得しています。
事故の“リアル”を追求し、対策を科学的に裏づけるための、最先端の安全検証ツールとしてお役立ていただけます。
HBD-0117シリーズ 事故再現ダミー
HBD-0117-55K 挟まれ・轢過・激突衝撃再現 170cm・55kgモデル
HBD-0117-70K 挟まれ・轢過・激突衝撃再現 170cm・70kgモデル
HBD-0117-26K 挟まれ・轢過・激突衝撃再現 126cm・26kgモデル(子ども)
HBD-0117-55KF 挟まれ・轢過・激突衝撃再現 160cm・55kg(女性)モデル