危険体感デモンストレーションの実施例

危険体感デモンストレーションの目的

危険体感デモンストレーションの目的は、労働現場に潜む危険要因を理解し、墜落時に人体にどれほどの衝撃が加わるかを実際に体感してもらうことです。危険体感マネキンを使用した墜落実験を通じて、安全意識を高めるとともに、胴ベルト型とフルハーネス型安全帯の機能の違いや正しい着用・使用方法について学びます。

さらに、万が一墜落事故が発生した場合の救助者としての対処方法や、自分自身の安全を確保するための方法も習得することを目的としています。

 

胴ベルト型安全帯装着
胴ベルト型安全帯装着での墜落

労働災害事例-自身の経験

まず皆さんに、私が過去に経験した労働災害についてお話ししたいと思います。

 

(具体的なエピソードを挿入)

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労働災害の現状

建設現場における労働災害で最も多いのは墜落災害です。統計によれば、労働災害全体の約40%が墜落災害であり、足場からの墜落はその中で約20%を占めています。2022年度には約160名の方が墜落災害で命を落としており、重症者はさらに多く報告されています。

 

皆さんにぜひ知っていただきたいのは、死亡事故の約57%が「足場上での作業中または移動中」に発生しているという事実です。これは、作業に集中している最中に、周囲の危険に気付けていないケースが多いことを意味します。

 

労働災害現場の再現

皆さんの目の前にあるのは、実際に発生した労働災害をもとに再現されたモデルです。この足場は3層構造になっており、地上から作業床までの高さは約5メートルあります。

 

5メートルという高さを軽視してはいけません。皆さん、人間がこの高さから地面に落下した場合、体にはどれくらいの衝撃が加わるかご存じでしょうか?約2トンの衝撃が体にかかります。これは、時速50キロで走る車に正面からぶつかるのと同じくらいの衝撃です。このような衝撃を受ければ、命を守ることは非常に困難です。

 

再現された現場では幅木は設置されていましたが、安全ネットなどの墜落防止設備はありませんでした。当時の作業員は、期限に追われて焦っていたため、安全確認が疎かになってしまったのです。

 

危険体感マネキンによる墜落体感デモンストレーション

ここからは、危険体感マネキンを使用したデモンストレーションを行います。皆さん、これから3つのパターンの墜落を体感していただきます。

 

フルハーネス型安全帯を装着した場合

胴ベルト型安全帯を装着した場合

安全帯を未装着の場合

 

 

 

 

-最初はフルハーネス型の安全帯を装着した場合です。

 

皆さん、マネキンがフルハーネス型安全帯を装着していることを確認してください。それでは、デモンストレーションを始めます。

…… 3、2、1 落下 ! ガシャン !(落下途中で止まる。)

ご覧いただいたように、安全帯が体をしっかり支え、衝撃を分散させています。このようにフルハーネス型は、墜落時に体全体を守る構造になっています。

次に胴ベルト型の安全帯を装着した場合です。

皆さん、胴ベルト型の安全帯を装着したマネキンをご覧ください。それでは、次のデモンストレーションを始めます。

 

…… 3、2、1 落下! ガシャン! (落下途中で止まるが、体が激しく回転する。)

 

ご覧いただけましたか?胴ベルト型の場合、腰だけを支えるため体が回転しやすく、大きな負担がかかります。

最後は安全帯を未装着の場合です。

皆さん、安全帯を装着していないマネキンを見てください。それでは、最後のデモンストレーションを始めます。

 

…… 3、2、1 落下! ドーン! (地面に激しく叩きつけられる。)

 

激しい音とともにマネキンの体が変形する様子をご覧いただけたと思います。このように安全帯を着用しない場合、墜落の衝撃をまともに受けてしまいます。

墜落の衝撃と安全対策の説明

皆さん、先ほどのデモンストレーションを通じて、墜落事故の恐ろしさを実感いただけたと思います。5メートルからの落下では、体に約2トンもの衝撃が加わり、それは時速50キロでの車の衝突に匹敵します。この衝撃から身を守るためには、安全帯の着用と正しい使用が欠かせません

墜落の防止策と不安全な行動の説明

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研修

安全帯の正しい使用方法

安全帯の日々の点検の重要性

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安全講習の目的とまとめ

皆さん、本日の講習では、墜落災害の現実と、安全対策の重要性を体験いただきました。この体験を職場で共有し、同僚にも安全意識を広めてください。全員で協力し、労働災害のない職場を目指しましょう。

 

これで危険体感マネキンを使用した研修を終了します。ご参加いただき、ありがとうございました