危険体感とは

体感記憶とは視覚や聴覚、触覚などからの刺激の情報が統合され、一つのまとまった情報として記憶されることです。

危険体感とは、実際の災害現場で発生した事象(情報)を疑似的に再現し、被研修者に統合的に記憶づけることを意味しています。

こうして記憶された情報はある種の「経験」として蓄積され、日頃から危険回避策を意識した行動を取るためのトリガーとなります。現場においてひとりひとりが事前に危険を察知し、直観的に回避できる能力を高めることは災害の発生リスクを低減させることに貢献します。

言い換えれば、危険体感教育とは疑似的な経験を積み重ねることによって、危険に対する感受性を高め、自らが能動的に常に安全作業を心掛けたいと考える習慣を身につけることための教育方法ということもできます。 

現在、国は第12次労働災害防止計画を定め、労働災害全体の減少目標と重点対策ごとに数値目標を掲げてこれらを展開しています。平成25~29年度の5か年計画では特に第三次産業と、死亡災害の半数以上を占める建設業、製造業に対して集中的取組を実施しています。