チーム連携強化:搬送役・指導役・連絡役に分かれ、役割分担の重要性を体感
救助技術習熟:担架の固定方法、適切な持ち上げ動作、体重移動などを実践
緊急対応プロセス確認:非常停止装置操作、医療機関連絡手順の体験
ストレス耐性向上:重い“傷病者”モデルを扱うことで、実際の緊張感を再現
機材 数量 備考
危険体感マネキン(70kg) 1体 HBD-0114-70K または同等の関節可動モデル
担架・ストレッチャー 1台 固定ベルト・ヘッドサポート付き
安全マット(40mm厚) 数枚 マネキン受け止め用に搬送経路下に敷設
非常停止装置 — 訓練用テストで機材の緊急停止を実演
医療キット 1式 包帯・スプリント・AED 応用器具など
通信機器(無線機/携帯) 1–2台 現場連絡の訓練用
ビデオカメラ 1台 振り返り用記録映像の撮影
高所宙づり救助
想定:高所作業中、作業者が墜落寸前でフルハーネスに宙づりになったケース。
演習内容:危険体感マネキンを足場の外側に吊り下げ、ハーネスによる締め付け・圧迫や呼吸困難リスクを体感。マネキンの解除・降下および安定した地上搬送までの手順を実践します。
参考:Suspension Trauma emergency procedures
足場上急病者救助
想定:足場上で心臓発作や熱中症を発症し、その場で動けなくなったケース。
演習内容:マネキンを安全マット上に寝かせ、仮想バイタルチェック(呼吸・意識・脈拍)、AED使用の確認、担架固定、階段や斜路での搬送までを一連で体験します。
参考:Scaffolder chest pain scena
停電・閉所事故シナリオ
想定:足場や仮設エレベーター内で停電・閉所事故が発生し、作業者が閉じ込められたケース。
演習内容:暗所でのヘッドランプ使用、無線によるチーム連携、マネキンの引き上げ・搬送を含む救助フローを実施します。
参考:Emergency response practical exercise
多層階足場事故救出
想定:二層以上の仮設足場で転落後、宙づりになった作業者の救出。
演習内容:特殊スリングでマネキンを二重引き上げし、人力ウィンチを併用する手順を体感。
参考:High-angle technical rescue
橋梁検査中挟まれ救助
想定:橋梁点検中に桁の隙間に挟まれた作業者の救出。
演習内容:マネキンを狭い隙間から慎重に引き出す救助手順、ストレッチャーへの固定・搬送を実演。
参考:Pinned worker rescue case
複合災害救助演習
想定:足場崩落、電線感電、飛来物の複合事故。
演習内容:現場安全確保(電源遮断/飛来物対策)、マネキンの急所保護、応急救護から搬送までの総合演習を行います。
参考:Complex rescue scenario
初期評価
マネキンの状態確認(仮想呼吸チェック、出血有無の想定)
周囲の安全確保(非常停止、通報)
担架固定
首、胸、脚部をベルトで軽く締め、転落時の振動を抑止
ヘッドサポート挿入
搬送動作
4 人一組で“息を合わせて”持ち上げ
ゆっくりとした平行移動と角度変化(階段昇降シミュレーション可)
医療機関連携
無線・携帯で状況報告
救急隊到着までの待機・モニタリング
ビデオ映像で動作を再生し、
バランスの取り方
担架固定の緩みポイント
通報タイミングの適切性などを全員で分析・共有。
固定精度:バンドの締め付け具合が適切か
搬送安定性:平行移動時の揺れ幅と姿勢維持
役割遂行:指令・搬送・連絡のタイムライン適合度
緊急レスポンス:非常停止操作から通報までのリードタイム
マネキン保護:擦れや衝撃で傷つきやすいので、搬送路に柔らかいマットを必ず敷設
重量管理:100kg級マネキンは実際の体重を想定。無理のない持ち上げ動作を強調
医療キット:実際の器具と同等品を使用し、誤操作防止のための事前講習を実施
環境整備:搬送経路の障害物除去と十分な幅の確保
製薬業 M 社:設備点検中の墜落事故想定訓練で、搬送時のバンド緩み率を従来比半減。
化学工場 N 社:夜間停電を想定し、無線通信訓練と搬送訓練を併合。通報から搬送完了までの時間を30%短縮。
建設 O 社:階段昇降シナリオを追加し、多階層現場での応用力を強化。
OSHA 29 CFR 1910.151 “Medical Services and First Aid”
中央労働災害防止協会 “救助・応急処置ハンドブック”
日本赤十字社 “救急法テキスト”