ヒューマンボディ　人体ダミーと危険体感マネキン

HUMAN BODY Specialized in Human Dummies and Safety Training Mannequins

重機挟み込み・轢過シミュレーション

フォークリフトやショベルローダーなどの重機に伴う「挟み込み」「轢過（れきか）」リスクを、危険体感マネキンで再現し、安全対策の精度を高めます。ANSI B11シリーズやOSHA 1910.212の「機械ガード」要件を踏まえ、実践的な演習手順と評価ポイントを解説します。

1. 適用規格・法令

ANSI B11.0: General Requirements — Risk Assessment
機械リスクアセスメントの基本、ガード要件、非常停止機能などを規定。重機にも適用できる一般原則を含みます。

OSHA 29 CFR 1910.212: Machine Guarding
「機械がハザードを生じる場合、作業者保護のためのガードまたは補助装置の設置が必要」と定め、挟み込み・轢過対策の根拠となります。

2. 演習プロトコル概要

項目	内容
マネキンモデル	HBD-0118-00（脚部可動、100kgモデル推奨）
重機機種例	フォークリフト、ホイールローダー、ショベルローダー
ガード位置	荷役部、旋回部、車輪部など挟み込み・轢過リスク箇所
安全距離	マネキン動線周辺 3m 以上の立入禁止エリア設定
緊急停止	重機の非常停止ボタン／無線停止装置の動作確認

3. 演習シナリオと手順

3.1 挟み込みシナリオ

準備

重機を平坦な屋内床に停車し、マネキンを荷台横または旋回アーム脇に配置。

安全体感マット（40mm EVA）をマネキン足元に設置

デモ

重機を低速前進させ、マネキンの脚部をゆっくり挟み込む挙動を再現。

挟み込み始点から完全停止までの距離・時間を計測。

観察・記録

高速度カメラで挟み込みプロセスを撮影。

マネキン脚部可動関節の変形状況を確認。

振り返り

受講者は映像を見ながら「どの位置でリスクが高まったか」をディスカッション。

3.2 轢過（れきか）シナリオ

準備

マネキンを平板に寝かせ、車輪が通過するラインをマーキング。

デモ

フォークリフトを極低速で直進させ、マネキンの胸部または脚部を轢過させる動きを実演。

観察・分析

轢過後の挙動（押しつぶし・滑走距離）を計測し、ガード不備の危険度を数値化。

振り返り

グループで「ガード改良策」「車輪カバー設置ポイント」をブレインストーミング。

4. 評価・学習ポイント

リスク領域の可視化

挟み込み・轢過の“ゾーン”を的確に把握し、ガード設計の必要箇所を明確化。

防護措置の効果測定

ガードカバー装着前後でマネキンへのダメージ差を定量比較。

安全行動指導

重機オペレータと誘導者の連携動作を演習し、安全確認プロトコルを体得。

緊急停止訓練

轢過・挟み込み想定時の非常停止スイッチ操作を実践。

5. 実践導入の留意点

マネキン保護：金属部品の接触面には布カバーを装着し、マネキン損傷を最小化。
機材点検：使用前に重機のブレーキ・電源系統、非常停止装置の動作を必ず確認。
環境整備：床面の滑り止め、照明・視界の確保、立入禁止ラインの厳格設定。

記録管理：演習データやフィードバックを研修履歴に残し、改善策の実施状況を追跡。

6. 活用事例

工場 G 社：

生産ライン内のフォークリフト作業で年間5件の挟み込み未遂をゼロに。

建機 H 社：

ショベルローダーメンテ現場での轢過リスクをマネキン演習で可視化しガード設計を最適化。

物流 I 社：

新人研修に組み込み、1カ月後の安全監査で重機周囲違反率を80％削減。