クレーン作業で多発する玉掛け不備やワイヤロープ破断の危険を、危険体感マネキンで“見て”“感じる”ことで、実効性の高いリスク低減策を習得します。
JIS B8801:2003(天井クレーン)
ワイヤロープはJIS G3525準拠の6または8ストランドを使用し、安全率は最小4.0以上を確保(巻上装置等級B以上の場合)
ASME B30.9-2021(Slings)
ワイヤースリングの製造/点検/使用要件を規定。定格荷重、破断荷重、破断後の余長などの試験方法を網羅
項目 |
内容 |
マネキンモデル | HBD-0114-70K(170cm・70kg) |
吊り点 | 一本吊り用フック+スリング |
ワイヤ種類 | φ8mm 6×19S×WS(JIS G3525) |
安全率 | ≥4.0(破断荷重÷最大使用荷重) |
落下/破断試験 | 定格荷重の120%負荷/静荷重試験および衝撃負荷試験 |
緊急停止装置 | クレーン操作盤非常停止ボタン,多点ロープ切断装置 |
設置場所:屋内クレーンまたはホイストの下に演習ゾーンを確保。
アンカーとスリング:クレーンフックに安全率4以上のワイヤスリングを装着。
マネキン装着:マネキンの背面D環にスリングを掛け、玉掛け具(ワイヤフック)を取り付け。
安全確認:周囲に3m以上の立入禁止ラインを設定し、非常停止ボタンの位置を全員で共有。
正常吊り:定格荷重範囲内で吊り上げ/旋回動作を実施し、マネキンが安定していることを確認。
不備再現:スリング誤掛け(ねじれ・フック非保持)を意図的に作り、吊り上げ時の不安定挙動を体験。
振れ・挟み込み観察:荷とフック間の角度を変え、マネキンの振れ幅・上下動を観察。
振り返り:受講者に「何が危険だったか」「正しい吊り方は?」を問い、学びを共有。
静荷重試験:定格荷重の120%をワイヤに掛け、破断しないことを確認。
摩耗モデル:ワイヤに事前に摩耗傷を付与し、同様に120%負荷をかけて破断挙動を体感。
破断後安全確認:破断時の飛散範囲を計測し、安全帯の飛散防止機能を検証。
吊り方の安定性:正常 vs. 誤吊りのマネキン挙動の違いを可視化
安全率の理解:破断荷重÷使用荷重=安全率の計算演習
破断リスクの把握:摩耗や老朽化による破断ポイントを実体験
緊急対応手順:非常停止操作と応急退避動線の確認
ワイヤ選定:JIS G3525 の構成・芯線仕様に適合したワイヤを使用。
点検頻度:使用前毎回、目視による傷・摩耗点検を実施(JIS B8801節7.2.3)。
教育記録:試験データおよびフィードバックを研修記録に残し、是正策の履歴管理。
複数条件検証:様々な吊角度(直上=0°、45°、60°)、荷重条件で演習を繰り返し、安全マージンを体感。
建設業 D社:
定期点検で摩耗ワイヤ検出率が従来比2倍に向上し、事故発生率を年間20%削減。
物流業 E社:
新規導入研修でスリング誤掛けの検出率が75% → 98%に向上。
インフラ F社:
摩耗モデル試験により、破断予兆点の可視化マニュアルを社内展開。
JIS B8801:2003 “天井クレーン”
ASME B30.9-2021 “Slings”
神鋼鋼線工業 “ワイヤロープ安全荷重表”
OSHA 29 CFR 1926.251 – Rigging Equipment for Material Handling